名古屋地方裁判所 昭和58年(ワ)1382号 判決 1987年1月30日
原告(反訴被告) 大野清久
右訴訟代理人弁護士 服部猛夫
被告(反訴原告) 和仁洋子
右訴訟代理人弁護士 杉山忠三
主文
一 原告(反訴被告)の本訴請求を棄却する。
二 原告(反訴被告)は被告(反訴原告)に対し、金六七万一一三〇円及びこれに対する昭和五九年九月二二日から支払いずみまで年五分の割合による金員を支払え。
三 被告(反訴原告)のその余の反訴請求を棄却する。
四 訴訟費用は本訴反訴を通じて、これを一〇分し、その一を被告(反訴原告)、その余を原告(反訴被告)の負担とする。
五 この判決は、主文第二項に限り、仮に執行することができる。
事実
第一当事者の求めた裁判
一 原告(反訴被告)
1 被告(反訴原告)は原告(反訴被告)に対し、金二三〇万円を支払え。
2 被告(反訴原告)の反訴請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は、本訴反訴を通じて被告(反訴原告)の負担とする。
4 原告(反訴被告)勝訴部分につき仮執行宣言
二 被告(反訴原告)
1 原告(反訴被告)の本訴請求を棄却する。
2 原告(反訴被告)は被告(反訴原告)に対し、金八九万九九三〇円及びこれに対する昭和五九年九月二二日から支払いずみまで年五分の割合による金員を支払え。
3 訴訟費用は、本訴反訴を通じて原告(反訴被告)の負担とする。
4 被告(反訴原告)勝訴部分につき仮執行宣言
第二当事者の主張
一 本訴について
1 請求原因
(一) 原告(反訴被告)(以下「原告」という。)は昭和五五年六月一日被告(反訴原告)(以下「被告」という。)に対し、別紙物件目録記載の建物(以下「本件建物」という。)を、賃料月一〇万円の約定で賃貸(以下「本件賃貸借契約」という。)した。
(二) 被告は、昭和五六年九月一日以降同五八年七月末日までの賃料の支払いをしなかった。
よって、原告は被告に対し、右賃貸借契約に基づき昭和五六年九月一日から、同五八年七月末日までの賃料計金二三〇万円の支払いを求める。
2 請求原因に対する認否
請求原因事実はすべて認める。
3 抗弁
(一) (賃料減額)
(1) 本件建物は、昭和五六年九月一日から少くとも、同五八年七月末日まで、雨もりがひどく、被告はその二階の全部と一階の一部の使用ができず、その使用のできなかった部分の割合は二分の一を下回ることはない。
(2)(イ) 右期間、右使用のできなかった割合に応じ、賃料の二分の一は当然に減額されるべきである。
(ロ) 仮に、当然に右減額がなされるとは、解しえないとしても、
被告は、昭和五六年秋頃原告代理人訴外アイキ不動産研究所の代表者訴外浅川裕に対し、同年九月一日以降の賃料を右使用されなかった割合に応じて減額する旨意思表示した。
従って、右期間の賃料は二分の一に減額されるべきである。
仮に賃料減額が認められないとしても、
(二) (相殺)
(1) 被告は、本件家屋について、以下のとおり、賃貸人たる原告の負担すべき必要費計金一六三万五三七〇円を支出した。
(イ) 金一三六万円
流し及び風呂の水が屋外へ排水されず、流しの設備が撤去され、二階へ昇る階段入口ドア及び二階の居室の敷居、天井、壁が破損していたことを修補する費用。
(ロ) 金五万一八七〇円
便所の汚物が屋外に排出されず、床下へたまっていたので、右汚物を排除し、修補した費用。
(ハ) 金一五万円
建物外壁にひびが入り、雨水が浸入するのでリシン吹付けにより修補した費用。
(ニ) 金七万三五〇〇円
建物屋上にロンプールを張り、雨水の浸入を防ぐための修補費用。
(2)(イ) 被告は、本件家屋について、以下のとおり有益費計金七六万四五六〇円を支出し、本件建物は少くとも右金額相当分の価値が増加した。
(a) 金一一万七一一〇円
プロパンガスを都市ガスにかえるガス配管工事費用。
(b) 金四万三六五〇円
壁及び天井のクロス張り工事費用。
(c) 金五四万二〇〇〇円
冷暖房設置工事費用。
(d) 金一万八〇〇〇円
自動ドアー設置工事費用。
(e) 金四万三八〇〇円
店舗としての使用を目的とする電気配線工事費用。
(ロ) 被告は、昭和五八年七月三一日原告との間で本件賃貸借契約を合意解除した。
(ハ) 被告は原告に対し、昭和五八年一一月一一日有益費の存在を主張し、同五九年一月二九日その具体的数額を、いずれも本件口頭弁論期日において主張したが、原告は、右有益費の存在そのものを否認し、もって、支出分又は増価分のいずれか一方を選択する意向のない旨明らかにした。
(3) 被告は原告に対し、昭和五九年一月二七日本訴口頭弁論において、原告の被告に対する本訴請求にかかる賃料請求債権中、金二一〇万円の限度で、被告の原告に対する右必要費償還請求権金一六三万五三七〇円及び有益費償還請求権内金四六万四六三〇円を対当額で相殺する旨の意思表示をした。
4 抗弁に対する認否
(一) 抗弁(一)の事実中(1)、(2)(ロ)は否認し、その余は争う。
(二) 同(二)の事実中、(2)は不知、その余は否認する。
二 反訴について
1 請求原因
(一) 本訴請求原因(一)と同じ
(二)(1) 本件賃貸借の際、被告は原告に対し、保証金金六〇万円を交付した。
(2) 本件賃貸借契約には、原告は被告に対し、本件賃貸借が終了し、本件建物を被告が原告に返還したとき、右保証金を返還する旨の約定があった。
(三) 被告は昭和五八年七月三一日原告との間で本件賃貸借契約を合意解除した。
(四) 被告は昭和五八年七月三一日原告に対し、本件建物を引き渡して、返還した。
(五) 本訴抗弁(二)と同じ。
よって、被告は原告に対し、右保証金六〇万円の返還及び有益費償還請求権中、本訴で相殺済分を控除した残金中金二九万九九三〇円の支払い及び右内金六〇万円については弁済期後であり、右内金二九万九九三〇円については請求の翌日である昭和五九年九月二二日以降民事法定利率年五分の割合による遅延損害金の支払いを求める。
2 請求原因に対する認否
(一) 請求原因(一)の事実は認める。
(二) 同(二)の事実中、被告が原告に対し金六〇万円を交付したことを認め、その余は否認する、原告は右六〇万円を改造費として受け取った。
(三) 同(三)の事実は否認する。
(四) 同(四)の事実は認める。
(五) 同(五)に対する認否は、本訴抗弁(二)に対する認否と同じ。
第三証拠《省略》
理由
一 本訴請求について
1 (被告の賃料不払)
原告は昭和五五年六月一日被告に対し、本件建物を賃料一か月金一〇万円の約定で貸し渡した(以下「本件賃貸借」という。)こと、被告が昭和五六年九月一日以降同五八年七月末日までの賃料計二三〇万円の支払いをしなかったことは、いずれも当事者間に争いがない。
2 (賃料減額請求)
(一) 《証拠省略》によれば、以下の事実が認められる。
(1) 本件建物は、その西側の区分所有建物と共に一戸の建物を構成し、原告が所有していたが、被告は、昭和五二年四月二〇日原告により、右西側建物(以下「買受建物」という。)を金一五〇〇万円で買い受けて居住し一階で美容院を経営していた。なお、本件建物はモデルルームとして展示され、人は居住していなかった。
被告は、右売買契約の直後から買受建物の雨漏りに悩まされていたが、その後、原告が本件建物を第三者に賃貸し始め、本件建物と買受建物は合板で仕切られただけで、二階ベランダ部分に仕切もなく、自由に往来できたうえ、屋上へ昇る螺旋段階も共用であったため、前判示のとおり昭和五五年六月一日、原告から二階部分を居宅、一階部分をお好み焼屋店舗として使用する目的で、本件建物を賃借するに至った。
(2) 本件賃貸借契約後、昭和五六年九月前から本件建物二階部分三室の居室中、二階南側の部屋のベランダとの境界付近及び押入れ部分全体の各天井、真中の部屋の東側窓付近の天井と壁、南側の部屋と真中の部屋の境界付近の天井並びに北側部屋の北側壁上部から雨漏りした。特に、南側部屋の押入れ上部の天井及び真中の部屋と南側の部屋との境界付近の天井の雨漏りは、雨天の場合バケツで受け切れず、畳を上げて、洗面器等の容器を並べ、被告らが椅子の上に立って、シーツやタオルで天井の雨漏り部分を押さえざるをえない程であり、右押入れに入れたふとんが、使用不能になったこともあり、本件建物二階部分は、同年九月以前からその少なくとも三分の二以上が使用不能となった。
(3) 被告は、しばしば賃貸人として修繕義務を負う(民法六〇六条)原告に対し、右雨漏りの修繕を求めたが、原告はこれに応ぜず、二階部分の右判示の雨漏りと使用収益の障害の状態は、同年九月以前から昭和五八年七月末日以降まで継続した。これに対し、店舗部分を含む本件建物一階部分は、右期間雨漏りにより、使用不能となることはなかった。
(4) これに対し、被告は昭和五六年九月分より賃料の支払いを拒絶し、同年秋頃には原告の代理人たる訴外アイキ不動産研究所こと訴外浅川裕に対し、同年九月分以降の本件賃貸借契約に基づく賃料について、右雨漏りによる使用不能部分の割合に応じて減額する旨の意思表示をした。
(二) 右認定の事実によれば、本件建物二階部分の少なくとも三分の二が、昭和五六年九月一日以降同五八年七月末日まで原告の修繕義務の不履行により使用できない状態にあったことが認められるところ、修繕義務の不履行が賃借人の使用収益に及ぼす障害の程度が一部にとどまる場合には、賃借人は、当然には賃料支払い義務を免れないものの(最高裁判決昭和三四年一二月四日民集一三巻一二号一五八八頁参照)、民法六一一条一項の規定を類推して、賃借人は賃料減額請求権を有すると解すべきである。
そして、被告が原告代理人に対し、右期間の賃料につき右賃料減額請求権を行使したことは、前判示のとおりであるところ、右減額されるべき賃料額は、右使用できない状態の部分の面積の、本件建物全面積に対する割合、本件賃貸借契約は、一階店舗部分とその余の居宅部分の使用収益を目的としていたところ、被告の右店舗部分自体の使用収益にはさしたる障害は生じなかったこと及び右判示の雨漏りの情況等の諸般の事情に鑑み、本件賃料額全体の二五パーセントをもって相当とする。
従って、原告の被告に対する昭和五六年九月一日から同五八年七月末日までの賃料請求権計二三〇万円は、右減額請求の結果、計一七二万五〇〇〇円に減額されたものと解すべきである。
(三)(1) なお、被告作成部分の成立に争いのない甲第三号証(念書)中には、昭和五八年六月二三日付で「家賃の支払い分を昭和五八年八月三日までにお支払いいたします事をお約束します。」旨の被告の自署による記載があるが、右記載自体、被告の支払うべき家賃の具体的数額を明らかにしていないうえ、その作成の経緯についても、《証拠省略》によれば、被告は、原告による本訴提起後の右同日、原告と会い、右家賃の支払い、雨漏りの修理、損害賠償等につき話し合おうとした際、原告から「被告の言い分はあとで聞くのでまず、支払うべき金額は書かなくてもよいので甲第三号証の文面の書面を書いて欲しい。」と要請され、法的知識経験もない被告はさらに話し合いを続けるつもりで、深い考えもなく、原告の口述するままに甲第三号証を作成したことが認めらる以上、右甲第三号証のみをもって、一2(一)判示の認定を覆すには不十分である。
(2) また、成立に争いのない甲第二号証(家賃支払催告書)中には、一2(一)判示の認定に反する記載があり、原告本人尋問の結果中にも右認定に反する部分があるが、一2(一)掲記の各証拠に照らせば、右供述は採用できず、右甲号証の記載は、右認定を覆すには不十分であって、他にこれを左右するに足りる証拠はない。
3 (賃借人の費用償還請求権と相殺)
(一) (必要費)
(1) 《証拠省略》を総合すれば、被告は、本件建物について、次の費用を支出したことが認められ、右認定を覆すに足りる証拠はない。
(イ) 金一四一万一八七〇円
本件賃貸借契約締結当時、本件建物は、台所の流しの設備が撤去されており、台所や風呂の水が屋外へ排水されず、裏口の戸の下のコンクリートが、本件家屋側へ傾斜していたため水が本件家屋内に流れこんだり便所からの汚物を流す管が破損し床下に汚物がたまる状態となっていた。そこで、被告は流しを設置し、右便所からの配管を修理し、台所等の床をはがして、排水等が外へ流れるよう床下の配管工事をおこなって、床を張り直す工事及びそれに付随する左官工事をおこなった。また、本件建物は二階の敷居と建具が合わず床、壁、天井及び階段、ドアーに破損している箇所があったので、以上の補修をおこなった。被告は昭和五五年七月二〇日ころ前記諸工事(左官工事を含む)のため計一四一万一八七〇円を支出した。
(ロ) 金一五万円
本件建物の外壁にひびが入っており、一部雨水が室内に浸入したので、被告は本件建物の外壁にリシン吹付による修復工事をおこない、右同日ころその費用として金一五万円を支出した。
(ハ) 金七万三五〇〇円
本件建物には屋上からの雨漏りがあったので、これを防止するため、被告は屋上にロンプールを張る工事をおこない、その費用として右同日ころ、金七万三五〇〇円を支出した。
(2) 右認定の(イ)(ロ)(ハ)の費用計金一六三万五三七〇円は、いずれも、本件建物の原状を維持、回復し、又は通常の使用収益に適する状態に置くために支出された費用と認められ、必要費と解すべきであるので、被告は原告に対し右支出後直ちに金一六三万五三七〇円の償還を請求することができる。
(二) (有益費)
(1) 《証拠省略》を総合すれば、被告は本件建物について、次の費用を支出したことが認められ、右認定を覆すに足りる証拠はない。
(イ) 金一一万七一一〇円
本件建物は、本件賃貸借当時プロパンガスが使用されていたが、被告はこれを都市ガスに改める工事をおこない、昭和五五年七月二〇日ころその費用として、金一一万七一一〇円を支出した。
(ロ) 金四万三六五〇円
被告は、本件建物の居住用部分の壁と天井にクロス張り工事をおこない、右同日ころその費用として、金四万三六五〇円を支出した。
(ハ) 金五四万二〇〇〇円
被告は、本件建物中、店舗部分にお好み焼屋の営業用のクーラー設備を設置し、右同日ころその費用として、金五四万二〇〇〇円を支出した。なお、右設備は撤去可能である。
(ニ) 金一万八〇〇〇円
被告は、本件建物中店舗部分に右お好み焼屋の営業用に自動ドアーを設置し、右同日ころその費用として金一万八〇〇〇円を支出した。
(ホ) 金四万三八〇〇円
被告は、本件建物中、店舗部分に右お好み焼屋の営業用の電気配線工事をおこない、右同日ころその費用として金四万三八〇〇円を支出した。
(2) 右認定事実によれば、右判示の各費用中(イ)及び(ロ)計金一六万〇七六〇円はいずれも、本件建物の客観的価値を増加させる行為の費用であり、本件建物の価値も少くとも右金額分だけ増加したと認められるので有益費と解しうるところ、《証拠省略》によれば、原、被告は、昭和五八年七月三一日本件賃貸借契約を合意解除したこと、及び原告が後記相殺の意思表示までに被告の有益費の存在そのものを争い、支出分と増価分のいずれか一方を選択する意向のないことを明らかにしたことがいずれも認められるので、被告は原告に対し、右相殺の意思表示の時点において、右金一六万〇七六〇円の有益費の償還を請求することができたものと解すべきである。
(3) なお、(1)判示の(ハ)(ニ)(ホ)の各費用についても被告は有益費と主張するが、(ハ)については、本件建物から分離可能な設備の設置についての支出であるうえ、(ハ)(ニ)(ホ)いずれも、お好み焼屋という特殊の営業目的のための設備を設置するための費用であることが認められ、本件全証拠によっても、本件建物の客観的価値を増加させる行為の費用と認めるには、不十分である以上被告の右主張は採用できない。
(三) (相殺)
右判示のとおり、被告は原告に対し、必要費金一六三万五三七〇円、有益費金一六万〇七六〇円計金一七九万六一三〇円の費用償還請求権を有するところ、被告が昭和五九年一月二七日本件口頭弁論期日において、原告に対し、原告の被告に対する賃料請求権金一七二万五〇〇〇円と、被告の右費用償還請求権中必要費分金一六三万五三七〇円及び有益費分内金八万九六三〇円の計金一七二万五〇〇〇円を対当額で相殺する旨の意思表示をしたことは、当裁判所に顕著な事実である。
4 従って、右相殺の結果、原告の請求にかかる賃料債権は消滅したものと認められるので、原告の本請求は理由がない。
二 反訴請求について
1 (保証金返還請求権について)
(一)(1) 被告が原告に対し、金六〇万円を交付したことは、当事者間に争いがなく、一2(一)判示の各事実、《証拠省略》によれば、右金六〇万円は、本件賃貸借契約の保証金として交付されたこと及び右契約の際、原、被告間において、本件賃貸借契約が終了し、被告が原告に対し、本件建物を返還したときは、原告は被告に対し、右保証金を返還する旨の合意がなされたことが認められ(る。)《証拠判断省略》
(2) そして、原、被告は昭和五八年七月三一日、本件賃貸借契約を合意解除したことは、一3(二)(2)判示のとおりであり、被告が同日原告に対し、本件家屋を返還したことは当事者間に争いがない。
(二) 右事実によれば、被告は原告に対し、右保証金金六〇万円の返還を請求することができる。
2 (費用償還請求権)
被告は原告に対し、有益費金一六万〇七六〇円の費用償還請求権を有していたところ、内金八万九六三〇円については昭和五九年一月二七日原告の同額の賃料債権と相殺されたことは一3判示のとおりであるので、被告は原告に対し、残金七万一一三〇円の費用償還請求権を有する。
3 従って、被告は原告に対し、右保証金六〇万円、右有益費償還分金七万一一六〇円計金六七万一一三〇円及び右内金六〇万円については弁済期後であり、右内金七万一一三〇円については、請求の日の翌日であることが記録上明らかである、昭和五九年九月二二日以降支払ずみまで、民事法定利率年五分の割合による遅延損害金の支払いを請求することができる。
三 以上の次第で、原告の本訴請求は理由がないので棄却し、被告の反訴請求は、主文二項の限度で理由があるので、これを認容してその余を棄却することとし、訴訟費用の負担につき、民事訴訟法八九条、九二条を、仮執行の宣言につき、同法一九六条をいずれも適用して、主文のとおり判決する。
(裁判官 大竹たかし)
<以下省略>